2010年10月28日木曜日

ブリ漁況の見通し(漁法:定置網、期間:平成22年11月〜翌年3月)

・ガンド(2009年生まれ)
 過去の調査結果から、11月の佐渡沖冷水の面積が広いと、本県のガンドの漁獲量は増えることが明らかになっています。昨年の富山湾への0歳魚の来遊量指数(漁獲量から推定した来遊量の多さ)は平年並みでしたが、今年の佐渡沖冷水域の面積は平年に比べて狭いと予想されていることから(※1・2)、漁獲量は前年および平年を下回ると予想されます。

・ブリ(2008年以前生まれ)
 過去の調査結果から、11月に入道埼冷水域が沿岸に接近すると、本県のブリの漁獲量は多くなることが明らかになっています。今年の入道埼冷水域 の接岸距離は平年並みと予想されており、昨年度の1歳魚の来遊量指数も平年並みでした。今年の入道埼冷水域の接岸距離と昨年度の1歳魚の来遊量指数から予報期間中のブリの漁獲量を重回帰により推定すると412トンとなり、漁獲量は平年並みと予想されます。
 南下期におけるブリの回遊生態の調査結果から、50m深水温が18℃となる条件がブリの来遊の目安であり、11月の深度50mにおける18℃の等水温線が佐渡島よりも北寄りに位置すると本県沿岸への来遊時期が遅れる傾向にあることが分かっています。今年の11月中旬には18℃の等水温線は秋田県男鹿沖にあると予測されていることから(※2)、今年の初漁日は平年(11月下旬から12月上旬)よりやや遅れると予想されます。

※1:平成22年度第3回日本海海況予報、※2:日本海海況予報システム(10月22日時点の予測)

調査船白山丸によるスルメイカ分布量調査(10月14日から19日)

・調査船白山丸は10月14日から19日に津軽海峡西方沖合から日本海中央部の大和堆付近でイカ釣り試験操業を行いました。
・津軽海峡西方沖合では、スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)が32.8〜73.7尾と高く、スルメイカは比較的高密度に分布しており、主な魚体サイズ(外套長)も24〜25�と大型であることが確認されました。これより南西の大和堆付近に至る海域では、CPUEは9.0〜26.7尾と分布密度はやや低い傾向にありました。
・調査海域の表面水温は17.5〜20.4℃と平年並みで、9月調査時に比べて水温は約6℃低下しました。
・スルメイカの南下にともない、今後、大和堆付近にも漁場が形成されると予想されます。

「モヨウフグ(有毒)」に注意!!

・10月14日に加賀沖の定置網でモヨウフグが獲れたとの報告がありました。
・モヨウフグは体長90�ほどになる大型のフグで、熱帯や亜熱帯の岩礁やサンゴ礁が主な生息域です。体全体に碁石のような白黒の模様があるのが特徴です。
・モヨウフグは有毒であることが確認されており。沖縄県では中毒事故も発生しています。
・今後も混獲される可能性がありますので食べたり、販売したりしないようご注意ください。また、フグの仲間は一部の種類を除き、基本的には有毒です。種類がわからないものや、素人の方の調理は絶対にやめましょう。(海洋資源部 西田剛)

石川県周辺海域の表面水温(10月27日)

・表面水温は21℃台の水域が広がっており、加賀沖で高く、能登半島沖で低い傾向にあります。
・過去5ヵ年の平均水温と比較すると、本県周辺海域の水温は1.0〜1.5℃程度高めです。