2019年9月27日金曜日
調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:9月4日~12日)
調査船白山丸は9月4日から12日に日本海中央部(大和堆周辺海域)でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は4.3~19.4尾でした。全調査点の平均CPUEは13.0尾であり、不漁であった前年同時期平均(8.3尾)並みに低く、過去5年同時期平均(30.8尾)を下回りました。今年の白山丸の調査から、日本海沖合ではスルメイカの分布量は5月と6月には極めて少なく、8月に幾分持ち直したものの9月時点においても依然として少ない状況が続いていると判断できます。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は19.1cmであり、魚体は前年(20.0cm)および過去5年平均(22.2cm)よりも小型でした。
アオリイカの漁況の見通し (予報期間:9~12月)
アオリイカは日本海側では青森県以南の沿岸域に分布し、水温の季節変動にあわせて、春に北上し、秋に南下します。石川県では南下期の個体が漁獲対象となっており、9~12月に主に定置網によって漁獲されます。
定置網による水揚量は年変動が大きく、これには水温が関係しています。9~12月の水揚量と9月上旬の宇出津港の水温との関係を調べたところ、水温が高い年ほど水揚量が多い傾向がみられます。今年の水温は25.9℃であり、過去5年平均(25.8℃)とほぼ同じでした。この値を水温と水揚量の関係式に当てはめると、今年9~12月の定置網による水揚量は123トン程度と推定され、前年(108トン)をやや上回り、過去5年平均(122トン)と同程度と予想されます。
石川県周辺海域の水温 (期間:9月11~15日)
沿岸の海面水温 9月15日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は25~26℃台で、過去5年平均との差は+0.5~+1.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は24.1~25.7℃で、9月上旬から約0.4℃上昇しました。前年同時期との差は+0.9~+1.9℃、過去3年平均との差は+1.0~+1.5℃でした。
港内の水温 今期の水温は26.3~26.9℃で、前年同時期との差は+1.2~+1.9℃、過去3年平均との差は+0.7~+1.7℃でした。
石川県主要港の水揚状況 (期間:9月1日~15日)
定置網 ウルメイワシ・コノシロ・マアジは前年を上回り、サワラ・サゴシ・アオリイカ・アカイカ・カマスは前年を下回りました。フクラギ・コゾクラは129トン水揚げされました。8月前半から9月前半までの累計は318トンで、前年(123トン)および過去5年平均(250トン)を上回りました。
まき網 フクラギ・コゾクラ・ブリは前年を上回り、ガンドは前年並み、サバは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 アマエビ・ニギス・ハタハタ・アカガレイ・マダラは前年を上回りました。
刺網・釣り・その他 スルメイカ・ベニズワイガニは前年を上回り、サザエは前年を下回りました。
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