2022年7月29日金曜日

日本海スルメイカ長期予報 (予報期間:8月~12月)

 ■ 一斉調査 6月中旬から7月上旬に、水産研究・教育機構、並びに本県を含む北海道から鳥取県の7道県の調査船が日本海の44定点でイカ釣り一斉調査を行い、スルメイカの分布や魚体サイズ(外套長)を調べました。水産研究・教育機構が今後の見通しを以下のとおり発表しました。

来遊調査 全調査点の釣機1台1時間当たりの釣獲尾数(CPUE)の平均値が来遊量の指標になります。今年の平均CPUEは2.05尾であり、前年(5.43尾)および過去5年平均(9.84尾)を下回りました。このことから、今年の日本海全体の来遊量は前年および過去5年平均を下回ると考えられます。


分布状況 CPUEは山陰沖で比較的高い調査点があったものの、それ以外の調査点では低く、漁獲がない調査点も複数ありました。近年のCPUE分布は、広く分布が見られた以前とは異なっており、スルメイカの分布・回遊は変化しているものと考えられます。

魚体サイズ 西部日本海、沖合域で15㎝台の個体の割合が高く、そのほかの海域では、17cm台~18㎝台の個体の割合が高い傾向が見られました。

■ 太平洋側からの来遊 太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本海に来遊するため、太平洋側の分布状況は10月以降の日本海の漁況に影響します。太平洋スルメイカ長期漁況予報によると、8~9月の来遊量は道東太平洋海域で前年を下回り、津軽海峡~道南太平洋海域、常磐~三陸海域の全域で前年並みと予想されています。

■ 漁況の見込み 以上の調査結果から、日本海全体としては、今期の来遊量(漁獲量)は前年および過去5年平均を下回ると予想されます。海域別の来遊量の予想は以下のとおりです。

道北・道央:前年並みで過去5年平均を下回る。

道南・津軽:前年並みで過去5年平均を下回る。

本州北部日本海:前年並みで過去5年平均を下回る。

西部日本海:前年を下回り、過去5年平均並み。

沖合域:前年および過去5年平均を下回る。

本予報の詳細については下記URLの資料をご覧ください。

日本海スルメイカ長期漁況予報 : http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2022/20220729_n/

太平洋スルメイカ長期漁況予報 : http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2022/20220729_t/



石川県周辺海域の水温 (期間:7月16日~20日)

 ■ 沿岸の海面水温 7月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は25~26℃台で、過去5年平均との差は+0.5~+1.5℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は25.6~26.2℃で、7月上旬から約2.4 ℃ 上昇しました。過去5 年平均との差は+ 1.4 ~+2.0℃でした。

港内の水温 今期の水温は25.8~28.2℃で、過去5年平均との差は+1.3~+1.4℃でした。




大型クラゲ情報 (期間:7月2日~7月22日)

 ■ 水産研究教育機構と漁業情報サービスセンターが7月22日までに発表した大型クラゲに関する情報は以下のとおりです。

日本海 長崎県(対馬)の定置網で、7月15日以降、大型クラゲの入網が続いています。入網個体数は、1日当たり1~10個体(傘径20~60cm)程度で、まとまった入網は確認されていません。一方、長崎県(対馬)のまき網では、7月21日にややまとまった入網(4トン前後)が確認されています。

対馬海峡 水産研究・教育機構が7月2~3日に行ったフェリーによる目視調査では、博多・対馬間で大型クラゲは確認されませんでした。

■ 漁業情報サービスセンターによると、大型クラゲは既に日本海に流入していると考えられるとのことであり、今後の動向に注意が必要です。

石川県主要港の水揚状況 (期間:7月1日~15日)

 ■ 定置網 サバ・トビウオは前年を上回り、マダイは前年並み、マアジ・サワラ・サゴシ・フクラギ・コゾクラ・シイラは前年を下回りました。マアジは62トン水揚げされました。5月から7月前半までの累計は410トンで、前年(638トン)を下回り、過去5年平均(454トン)並みでした。トビウオは43トン水揚げされました。5月から7月前半までの累計は111トンで、前年(133トン)および過去5年平均(152トン)を下回りました。

まき網 サバ・ウルメイワシは前年を上回り、マイワシは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 アマエビは前年並みでした。

刺し網・釣り・その他 ベニズワイガニ・マダコは前年並み、サザエは前年を下回りました。