2012年2月10日金曜日

調査船白山丸によるホッコクアカエビ(甘えび)分布量調査結果



 調査船白山丸は1月12日から15日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(甘えび)の分布調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布を調べています。


 2011年8月に頭胸甲長10mm付近にみられた2010年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)は、本調査では頭胸甲長13mm付近に成長していることが確認されました。この卓越年級群の発生量は2006年以降に生まれた群のなかで最も多く、これが漁獲サイズにまで順調に成長すれば、2013年の秋以降、漁獲量の増加に寄与するものと予想されます。卓越年級群をうまく利用して、漁獲量や漁獲金額の増加につなげるには、漁獲サイズ未満の稚エビを保護するとともに小型エビの漁獲をひかえることが大切です。漁業者の皆様には、小型個体が多く入網する海域での操業をひかえるか網目を拡大して資源の有効利用に努めていただくようお願いします。
(海洋資源部 四方崇文・西田剛)

沿岸観測ブイの水温(2月4日~8日の平均)




・沿岸観測ブイの水温(水深10m)
内浦海域の観測点では、1月下旬以降、過去3年平均に比べ低めで推移しています。2月4日~8日の平均水温は10.6℃~11.7℃で、1月下旬に比べ約1.0℃低下しました。

・港内水温(水深1.5m)
いずれの港でも過去3年平均に比べ低めとなりました。2月4日~8日の平均水温は7.8℃~10.7℃で、1月下旬に比べ約0.4℃低下しました。

石川県主要港の水揚げ状況(1月21日~31日)



・定置網
 ブリは前年・過去5年平均を下回りました。サイズは4~5kgが主体で、1月上旬以降、低調に推移しています。ガンド・サバ類・ヤリイカは前年を上回り、マアジ・スルメイカは前年並みでした。

・まき網
 ガンドは蛸島港主体に前年を上回り、フクラギは前年を下回りました。

・底びき網・ごち網
 ズワイガニ・マダラは前年を上回り、アカガレイは前年並み、ニギス・アマエビは前年を下回りましたました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 刺し網・釣りのマダラは前年・過去5年平均を下回りました。小型いか釣りのスルメイカは前年を上回り、エビかごのアマエビは前年に続き低調に推移しています。


2012年1月31日火曜日

底びき網漁業の年間水揚げ状況(平成23年のまとめ)





・集計期間:平成23年1月~12月

・漁業種類:石川県内主要港の沖合底びき網漁業と小型底びき網第一種漁業
・集計対象港:橋立港・金沢港・富来港・輪島港・蛸島港・鵜飼港・松波港・宇出津港

1 水揚げ量と金額(図1)
石川県内主要港における平成23年の水揚げ量は5,637トンで、平年(過去10年平均)並みでした(平年比92%、前年比90%)。ズワイガニ(雄)・アカガレイ・ヤナギムシガレイ(めがれい)などが好調でしたが、ハタハタ・アマエビは不調でした。水揚げ金額は37億1千万円で、平年並みでした(平年比94%、前年比100%)。

2 出漁回数(図2)
年間延べ出漁回数は11,255回で、平年の85%、前年の98%でした。出漁回数は引き続き減少傾向にありますが、出漁1回当たりの水揚げ金額はやや上向きで推移しています。

3 産地価格(図3)
県内産地価格(底びき網)の推移について、平成7年を100とした指数でみると、平成23年は75で前年を上回りました(前年比107%)。近年の推移をみると、平成18年以降横ばいで推移しています。

(海洋資源部 木本昭紀)